以前、世界最大のテクノロジーの祭典「CESの日本企業編」についてブログに書きました。「CES 2021」を調べていて感じたのは、コロナで世界の情勢が大きく変化した年だからこそ、「日本企業と海外企業のトレンドや将来像の違い」です。そこで、本日は海外企業のCESの展示に注目して、私が考える”世界で最もイケている会社”について書いていこうと思います。
まず、本題に入る前にコロナによって以前のCESからどう変化したのか、私なりの見解を書いてみようと思います。2020年以前のCESは、”5年後6年後を見据えて開発した新しい商品”を展示するのがベーシックだったと思います。しかし、今年は”なぜこの商品を作っているのか” ”なぜこの会社がこの商品を作らないといけないのか”、企業を伝えるための「ストーリー性」を重視した展示が多いように感じました。
それは、コロナ以外にも「人権、差別、環境」など様々なことが問題になった年だからだと思うのです。そのため、多くの会社がこれらの社会問題に向き合い、会社のあるべき姿を語ったのだと思います。
このような社会の現状と、世界のトレンドを踏まえて私が注目した企業は「ゼネラルモーターズ」です。略称「GM」はアメリカの自動車会社です。1930年から第二次世界大戦にかけて、アメリカ最大の市場シェアを握っています。なぜGMを選んだのかと言いますと、横並びの状態に感じた自動車産業に、新しい風を吹かせた様な印象を受けたからです。
CES全体の自動車業界の動きは、ここ3、4年で出展企業が増えていました。ですが、「自動運転」についてはトーンダウンしていました。「自動運転」は夢なのか、現実なのか。実現するのは難しい状況であると、多くの人が思っていたと思います。GMも自動運転の実用性に関しては、他会社をと同じ状況にありました。
しかし、今年は「EV車・電気自動車」に力を入れて、方向転換を図りました。2035年までに全自動車を電動化、2040年までに全ての商品とオペレーションを脱・炭素化すると宣言しています。会社のロゴマークを、「コンセント」を連想させるようなデザインに変えたことも、EV車に力を入れようとしていることが伺えます。1度経営破綻している会社だからこそ、これを機に生まれ変わるという決意表明を感じました。
その中でも興味深いと思った発表は、「ハマー」と呼ばれるガソリンがいくらあっても足りない様なビッグカーを、10分間の充電で100マイル(約160キロ)の走行可能にしたことです。そこまで開発が進んでいるのであれば、2035年を見据えた計画の実効性の高さを感じました。
もう1つ、目が離せないと思った会社があります。それは「Wallmart」です。「Wallmart」はアメリカに本社を置く、世界最大のスーパーマーケットチェーンで、世界最大の売り上げを誇ります。しかし、去年までCESには参加していませんでした。ですが、今年参加した理由として挙げられるのは、「デジタル化に力を入れたこと」だと思います。
Wallmartでは、コロナ渦でのEC需要(ネットショッピング)の急増に対応するとともに、オンラインで注文した商品を店舗の駐車場で受け取る「カープサイドピックアップ」など、非接触型サービスを拡充しました。2020年9月には、ネットスーパーの当日配送サービスなどが無制限で利用できる、有料会員制プログラムを導入しました。
CESに参加したあるCEOは、「今年はコロナによってデジタル化が5〜7年加速した。」と述べていました。皆さんも日常で感じている様に、「デジタルの加速化」は言うまでもなく、世界のトレンドでした。時代に素早く対応し、顧客のニーズを掴むことができたWallmartは、さらに小売業界の先駆けとして世界の需要を獲得できたのだと思います。
確かに、「小売業界のデジタル化」に関しては、コロナ前から力を入れていた印象があります。アメリカでスーパーの視察調査を行った時に、広大な店舗に対しての従業員数の少なさ、さらに従業員の方が陳列やレジ作業で動き回る姿を見ないことに驚きました。それにも関わらず、どの棚にも大量の商品が整頓されて並んでいました。顧客目線に立った時には、日本の様に催促用の音楽がかかっていて、買い物を急かされるような気分にはならず、カラーコーディネートされた店内を見て楽しむことができました。
これを可能にしている「オペレーションシステム」は何か、と調べた時に分かったことは、AIやビックデータ、ロボット工学の技術を運営事業に積極的に取り入れていることでした。夜中中、店内ロボットが商品の陳列や管理を行い、正確に大量の商品を扱うことができるのだと分かりました。この技術が身を結び、CES 2021でWallmartは注目を浴びることができたのだと思います。
話が少し逸れてしまいましたが、以上が私なりに「CES2021」を調査した世界のトレンドや、それに対応した企業の紹介です。CESを調査するだけでも、世界の需要や世の中の流れを見ることができると思います。これからも世界のトレンドに常にアンテナを張って、少しでも未来予測ができるようになりたいと思います。
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